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子育て支援パスポート
子育て中の世帯が買い物の割引などの特典を受けられる鹿児島県の「かごしま子育て支援パスポート事業」が10月までに12市町村で行われている。商品の割引など子育て家庭に役立つサービスも多いが、普及率はまだ低く、周知への対策が待たれる。
[鹿県支援]育児世帯や妊婦に特典
事業は、子育て世代の経済的負担の軽減などを目的に1月から実施している。対象は、実施市町村に住み、18歳以下の子どもがいる世帯や妊娠中の女性。市町村窓口で申請し、交付されたパスポート=写真=を協賛店で提示すると、各店が設定したサービスを受けられる。
県子ども課によると、10月1日現在の協賛店は393店。県のホームページで協賛店と特典内容に一覧を紹介している。サービスは、商品の割引やポイントスタンプの割り増し、ミルク用のお湯の提供などさまざまだ。
同課の下堂薗稔・少子化対策担当参事は「必ずしも割引など店側の負担となる特典でなくてもいい。協賛店のステッカーを張る店が増えて、社会全体で子育て家庭を支援する雰囲気をつくっていけたら」と期待を寄せる。
■子連れ客増
いちき串木野市春日町のパン製造・販売店「小麦粉」は、1月から、パスポート提示者にパン類を割引販売している。「お世話になっているお客さんに恩返ししようと協賛した」と店主の北岡勝也さん(52)。パスポート制度を紹介するポスターを自作し、店頭に目立つように張っている。
その結果、子育て世代の新規客が増え、店の売り上げは2-3割増になったという。「顔なじみの子も増えた。地域ぐるみでの子どもの見守りにもなる」として「商店街の活性化など大きな可能性を持った事業」と評価する。
指宿市西方のファミリーレストラン・ガスト指宿店の絵本コーナーを設け、パスポート提示者へのキッズメニューの一部割引、子どものドリンクの無料提供などのサービスを行っている。2-10歳の子ども3人と食事していた近くの主婦(31)は「実際にやすくなる特典が魅力的。子育て家庭に優しい店だと思うようになった」と喜ぶ。
後藤幸彦店長(38)は「外食を控えがちな子育て家庭が気軽に来店する契機なればと始めたが、実際に増えてきたようだ」という。
■「配布すれば」
同事業は11月には鹿児島市や鹿屋市など6市町でもスタートし、県内の子育て世帯のうち7割以上をカバーする予定だ。来年3月末までにはさらに19自治体でも実施が見込まれる。
しかし、県のまとめでは、9月までに始まった10市町村の子育て世代のうち、パスポートを取得しているのはわずか16%。浸透にはまだまだ課題が残る。
指宿市湊1丁目の文具店・文苑堂でもパスポート提示者への割引などを行っているが「パスポート知らないお客が多い」と大牟禮睦店長(53)。大牟禮店長が会長を務める「いぶすきシール会」の加盟店にはパスポート協賛店も多いが「パスポートが話題に上ることはない。利用者にもう少し周知されないと、店側としても盛り上がらない」よ話す。
ガスト指宿店で食事していた主婦は「持っているとお得なのに、知らないお母さんも多く、友達には積極的に教えている。学校や幼稚園でチラシを配るなど、もっとPRしてくれたら」と話す。いちき串木野市の北岡さんも「わざわざ平日に市役所まで行けない親も多い」と指摘。「いっそのこと、母子手帳交付や健診のときに、全員に配ってしまってもいいのでは」と提案した。
(公開日:2007年10月11日〜2007年10月11日)